研究報告書

【令和3年度】 過労死等の防止のための対策実装に関する研究

【令和3年度】 過労死等の防止のための対策実装に関する研究
目次

研究要旨

この研究から分かったこと

事業者、有識者から構成されたステークホルダー会議における過労死等の防止対策実装の方策を検討した結果、ハイリスク者の企業による管理、重層構造の課題、小規模事業場への健康管理の支援、行動変容の促進方法、長時間労働とストレスの対策としての職場環境改善の推進方策が過労死等の対策実装の課題として明らかになった。

目的

産業界のステークホルダー(企業の経営者、大手企業の安全衛生のリーダー、業界団体、産業保健専門職、労務管理専門職、研究班)の協働体制(ステークホルダー会議)を構築し、過労死等の防止に関わる現場のニーズの把握及び良好実践例の収集を実施し、ステークホルダーを交えた議論によって、定着と継続が可能な過労死等防止対策の実装の方策を検討することを目的とする。

方法

本年度は、研究班、産業保健の有識者(産業医)及び労務の専門家(社会保険労務士)のメンバーによるタスクフォースを結成し、①対策実装のための課題に関する議論、②重点業職種における良好実践例の収集(経営者、作業者へのヒアリング等)、③対策実装のための課題を議論する「第一回ステークホルダー会議」の開催、④対策アクションの実行可能性を議論する「第二回ステークホルダー会議」の開催を実施した。

結果

12 回のタスクフォースのミーティングを実施し、有識者を交えた議論、運輸と建設の経営者の意見の聴取を実施するとともに、建設作業現場への訪問調査等を実施した。第一回ステークホルダー会議(2021 年12 月)では、①発注、元請け、下請け等の問題、②働き方の改善の取組と課題、③健康管理の取り組みと必要な支援という3 つのテーマに関して、運輸業、建設業における大手企業、中堅企業、業界団体等からの報告を受けて議論を行った。第二回のステークホルダー会議(2021 年3 月)では、研究班から対策アクションの提案を行い、実施可能性に関する議論・検討に着手した。

考察

議論された課題は、①ハイリスク者の健康管理、②各業界の特性(重層構造、小規模事業場)、③産業保健による小規模事業場への支援・サービス手法、④個人の健康行動、⑤働き方、環境の改善、に整理された。今後は、対策アクションの立案と実行方法の検討を継続し、ステークホルダーとの連携による対策実装の試行を進める計画である。

キーワード

実装研究、運輸業、建設業

執筆者

酒井一博

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