【平成28年度】 運輸業・郵便業における過労死(脳・心臓疾患)の予測及び防止を目的とした資料解析に関する研究

  • 平成28年度
  • その他
  • 事案分析:脳・心疾患
  • 重点業種
  • 不規則勤務

研究要旨

運輸業・郵便業における過労死の予測及び防止という目的を達成するために、平成22年1月~27年3月までの脳・心臓疾患による労災認定事案の労災調査復命書より465事例を解析した。

その結果、過労死(死亡)はどの業種も心臓疾患率が高く、生存は脳疾患比率が高かった。被災者の被災月は、概ね1月~3月の厳寒期と7~9月の猛暑期に高い二峰性の分布を示した。雇用年数では、2年以下か15年以上の被災率が高かった。トラック事例では事業場での被災、特に荷扱い中に生じている特徴がうかがえた。雇用後早期の健康診断の効果が共通に期待されるとともに、トラックの積み荷の取り扱いにおける対策など業種別の過労死等防止対策が求められる。またトラックでは運行パターンを8パターンに分けることができ、それらの特徴を記述した。平成29年度は、これまで明らかになった知見に加えて不支給事例の解析を行い、トラックでは運行パターン別の詳細な解析や業種ごとの対策を提案する。

執筆者

酒井 一博 

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