【令和元年度】 過労死等事案から抽出した過労兆候と労働・生活要因の関連性の検討―トラックドライバーと交代勤務看護師の結果から―
研究要旨
過労死等事案より抽出した前駆症状を用いて開発中の「過労徴候しらべ」を用いて、1,992名のドライバー(平均年齢;46.4±9.1歳、男性が1,947名)と536名の看護師(平均年齢;36.8±8.4歳、女性は451名)を対象に、彼らの労働・生活要因と過労徴候の関連性を明らかにするために調査を行った。トラックドライバーの結果において、残業時間や睡眠時間、夜勤回数、運行スケジュール、手待ち時間等と過労徴候の関連性が確認された。このことより、それらの疲労リスク要因を行政、職場、個人等のレベルにおいて工夫を凝らしながら改善することは、過労死予防に寄与することが再確認された結果だと考察される。また、本研究で用いた「過労徴候しらべ」調査票の結果はトラックドライバーと看護師の両職種において、類似した訴え方を示していた。
今後は「過労徴候しらべ」を用いて、様々な業種・職種での比較や、縦断的な検討等を行うことで、過労死リスクを予測し、防止するためのツールの開発を目指すこととする。