【令和5年度】 対策実装研究アクション2:重層構造の理解と深堀り

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研究要旨

この研究から分かったこと

施工管理者の仕事の負担の特性と背景が把握できた。客観的な調査データのフィードバックとグループ討議によって、管理者と作業者における改善の必要性の認識が促進され、対策の検討と共有が進んだ。一方で、納期の改善など構造的な課題への対策が強く求められていることもわかった。 

目的

対策実装研究アクション2 では、運輸業と建設業を重点的な対象業種とし、ヒアリング等の調査に基づく、業種の特性に配慮した対策の実装方策の検討を進めることを目的とし、令和5 年度は、多種多様な事業の多層構造を伴う協働体制で行われるビル建設において、その工程、品質、安全等を管理する施工管理者に対する生活時間調査を実施した。この調査とグルプヒアリングの結果に基づく、施工管理者の働きやすさを改善する対策の策定・試行を行う。 

方法

①生活時間調査:中堅建設会社に所属する施工管理者(45 名)に対する生活時間調査を実施した。②調査結果をフィードバックし、グループヒアリングで過重労働の防止につながる職場改善に関する意見、対策好事例やアイデアの聞き取りと議論を実施した。③研究チームが対策案の策定と提案をし、実行を依頼した。

結果

 生活時間調査によって、建設の技術者における長時間労働に関係する課題や背景を把握できた。主な課題として、1)休日不足、2)デスクワーク中心の長時間の残業があった。グルプヒアリングでは納期の設定、顧客の要求などの構造的・背景的な課題も議論された。収集した意見に基づき、対策提案を2024 年4 月までの緊急対策として提示し、対策の実行に着手した。

考察

 対策の内容や実行方法についてさらに検討と改良を続け、対策の実装(継続、定着、事業者による自走)のための支援を継続することが今後の課題である。

キーワード

実装研究、建設業、施工管理者 

執筆者

酒井 一博

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