【令和6年度】対策実装研究アクション1:ハイリスクドライバーの把握と対策

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  • その他
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  • 対策実装研究
  • ツール

研究要旨

この研究から分かったこと

ハイリスクドライバーを病院受診に結びつけるためには、潜在的に存在する多様なニーズへの包括的な対応が重要であり、手引きと共に、これらを推進する仕組みの構築が必要である。

目的

健診結果から脳・心臓疾患の発症リスクの高い自動車運転従事者(以下「ハイリスクドライバー」という。)を把握し、病院受診を促すためのツール及び運用方法を立案し、運輸事業者が速やかにハイリスクドライバーを把握して、医療の管理下へつなげるための仕組みを検討することを目的とした。

方法

令和5年度までに作成したハイリスクドライバーを把握し対応するためのツール(以下「手引き」という。)を活用して、事業者によるハイリスク者対策を進める方法を検討した。本年度は、(1)手引きを印刷し配布、(2)健診結果を取り巻くステークホルダーの関係性及び課題の整理、(3)健診結果を活用したハイリスクドライバーの自動判定の検討を行った。

結果

(1)手引きが印刷され全日本トラック協会の会員に配布された、(2)作成した手引きの活用や運用について、2024年11月に運輸業、建設業に関連した産業保健スタッフ約40名に実装可能性、方法論、技術手法等について意見聴取した結果、①運輸事業者がドライバーの健診結果を手に入れ理解するプロセスで、現場レベルでは多くの要因の障壁があること、②特に小規模事業者については、医師・産業医などの支援が入りにくく、産業保健の専門家の介在なしに事業者がハイリスクドライバーの過労死等リスク等を理解できることも必要などの意見が出された。(3)健診結果を活用したハイリスクドライバーの自動判定の検討を行った。

考察

事業場の専任ではない産業医や保健師等の専門職、あるいは行政等においては、多様で包括的な対応を行うことは難しく、これらは特に小規模事業場において、より解決の難しい環境となっている。したがって、特に小規模事業場に向けたモデル事業が必要となる。今後は、全国的な手引きの活用に関する評価、及びモデル事業において本ツールの活用を検討し、評価を行っていく。

キーワード

定期健康診断、ハイリスクドライバー、小規模事業場

執筆者

石井 賢治

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