【令和7年度】労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)職域コホート研究
研究要旨
この研究から分かったこと
継続的高ストレスは血圧・血糖・脂質異常の新規発症リスクを高める。年齢や性別などの階層によっても新規有所見発症リスクとその傾向に違いがある。
目的
JNIOSH職域コホート研究の参加者数、データ収集状況等の全体の特徴を示し、これまで収集したデータから本年度は職業性ストレスの経年変化による身体的健康状態への影響について検証する。
方法
職業性ストレスの経年変化については、2020年度及び2021年度に実施した調査で収集されたデータに基づき、2年間のストレス状態を以下の群に分類した(LL:低ストレス状態が継続、HL:高ストレスから低ストレス状態に変化、LH:低ストレスから高ストレス状態に変化、HH:高ストレス状態が継続)。身体的健康状態については定期健康診断の血圧、血糖、血中脂質の検査値で評価し、ストレス変化と身体的健康状態の新規有所見(2021年度時点で新たに出現した身体的有所見)との関連を縦断解析する。
結果
2025年度は計124,709人が研究協力に同意を得た(参加率約52.5%)。2018年度調査からの参加者数はのべ約54万人となった。ストレス変化と新規有所見の関連について、2020年時点で健康状態に異常のない者(n=15,121)を対象に分析したところ、継続的高ストレス群(HH)は低ストレス群(LL)に比べ、新規有所見リスクが有意に高く(調整OR1.25,p<0.001)、性別・年齢別解析では女性(調整OR1.35,p=0.006)及び40歳代(調整OR1.34,p=0.038)で顕著であった。
考察
本結果は継続的高ストレスが血圧・血糖・脂質異常の新規発症リスクと関連する可能性を示し、身体的健康の維持にはストレスの変動を把握・管理することが重要であることを示唆している。
キーワード
職域コホート、職業性ストレス変化、身体的有所見、縦断解析
執筆者
高橋 正也