【令和7年度】対策実装研究アクション1:ハイリスクドライバーの把握と対策
研究要旨
この研究から分かったこと
過労死等の防止のためには、健診の受診及び受診後のフォローアップの実施が重要である。健診後の速やかなフォローアップには、ステークホルダー間の健診結果の共有がポイントとなる。
目的
医療の知識がなくとも定期健康診断結果から対応を可能とする手引きを活用するにあたって課題となっている健診結果の取り扱いについて、本アクションを取る上で関連するステークホルダーを中心にその実態を調査し、アクションのために必要な要件について整理することを目的とした。
方法
令和3・4年度の脳心認定事案について、トラックドライバー事案の健診受診状況、所見、健診後の再検査や病院受診等のフォローアップの状況について整理した。アクションに関連するステークホルダーであるトラック業界団体、運輸事業者、健診事業者、産業保健サービス事業者、健康保険事業者・組合等とハイリスクドライバーの健診後フォローアップの取組みに関して意見交換し、良好事例を調査した。
結果
トラックドライバー事案100件のうち、健診の受診状況は88件で確認された。血圧あるいは血糖に関連する健診項目で要治療と判定された記載があるものは70件あった。うち35件は、健診後の病院受診が確認できないなど未治療あるいは治療が中断されていた。治療状況・受診歴が不明な事案が5件あった。健診後のフォローアップを早期に実現しているいくつかの良好事例では、ステークホルダー間での健診結果の共有が速やかに行われていること、健診機関や健康保険事業者・組合が産業保健サービスと積極的にコラボヘルスを実現していることが分かった。
考察
過労死等の防止のためには、健診の受診及び受診後のフォローアップの実施が重要であると示唆された。本アクションの観点がパーソナルヘルスレコード(PHR)の利活用にも取り込まれることが望ましい。
キーワード
ハイリスクドライバー、定期健康診断、フォローアップ
執筆者
石井 賢治