【令和7年度】対策実装研究アクション2:建設現場における施工管理者の作業観察調査
研究要旨
この研究から分かったこと
時間外労働が多いことと休憩時間が少ないことが明らかになった。これは施工管理者の業務量が多いことが考えられる。長時間労働削減には休日の確保が有効な対策であり、完全週休二日制を維持できる管理体制が敷くことが必要と考えられる。
目的
過労死等事案研究及び令和5年度の施工管理(現場監督・技術)者への生活時間調査より、施工管理者の長時間労働の問題が明らかになった。本研究は、この問題への対策の検討をさらに進めることを目的とし、施工管理者の作業・業務内容を把握するために作業観察調査を行った。令和6年度は、新築賃貸マンション建設現場の基礎工事時の調査を行い、2時間から4時間の時間外労働があることが明らかとなった。本年度は同じ現場の躯体工事から竣工前検査の作業観察調査を実施した。
方法
対象者は、中堅ゼネコンの施工管理者であった。方法はタイムスタディ(1分間のスナップショット式)であり、記録項目は作業・行動内容、使用ツール(PC、タブレット等)、発話の有無及びその相手、作業姿勢等であった。対象者と上司(所長)に対するヒアリングを1回実施した。合計16回の調査(令和6年度の4回を含む)を実施した。
結果
デスクワークが主作業であり、回数(1回1分相当)が多い例として、4回目調査(着工3か月目)が356回(45.4%)、1回目調査(着工1か月目)が351回(53.0%)であった。休憩が充分に取得出来ない例があり、最も少ない例として、3回目調査(着工3か月目)と9回目調査(着工7か月目)では、それぞれ46回(6.3%)、46回(6.0%)であった。全16回の調査の平均時間外労働時間は2時間55分であった。16回の調査期間に該当する月の勤怠管理における時間外労働時間は月73時間が最も長かった。ヒアリング調査では、「建築係員の変更があり、その係員は経験が少ないため、完全週休二日制が不可能になった」とあった。
考察
長時間のデスクワークの内容には、施工図の確認、変更等の施工図関連が多かった。主業務が施工図の確認、変更等であり、会議等での施工図の変更が発生する場合があり、時間外労働が長くなった要因と考えられる。勤怠管理において、調査期間中のすべての月で40時間以上の時間外労働時間があった。また、自己申告による勤怠管理では、労働時間が正確に把握できないため、自動記録ができる勤怠管理ソフト等の使用が対策として有効と考えられる。
キーワード
長時間労働、施工管理、勤怠管理
執筆者
茂木 伸之