【平成29年度】 重点業種における精神障害の労災認定事案の可視化に関する研究
研究要旨
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(平成27年7月24日閣議決定)で過労死等が多く発生しているとの指摘がある業種・職種(自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療等)に対応する業種として、医療・福祉、運輸業・郵便業、教育・学習支援業、宿泊・飲食サービス業及び情報通信業(以下「重点5業種」という。)を対象とし、過労死等調査研究センターで作成した精神障害による労災認定事案のデータベースを用いて分析を行った。
データベースより、重点5業種に該当する精神障害事案522件(自殺事案では61件)を抽出し、労災認定事案について、比較しやすいよう分析結果の可視化を棒グラフとレーダーチャートによって行った。
その結果、可視化により、各々の業種と比較あるいは全業種と比較でき、現状の把握や、今後の改善及び防止対策を行うべき出来事を客観的に把握・理解しやすくなったと考えられる。今後は、重点5業種だけでなく、それ以外の業種や性別、事業場規模別等のデータについても棒グラフやレーダーチャートにより可視化することが有用であると考えられる。
執筆者
菅 知絵美