【平成29年度】 中小企業で実施された職場環境改善の効果評価に関する研究

  • 平成29年度
  • 池田 大樹
  • 現場介入研究
  • 勤務間インターバル
  • 疲労
  • 睡眠

研究要旨

製造業の某中小企業(2016年8月調査時の従業員数48人)において実施された職場環境改善の効果の検討を行った。全社員面談後、職場環境改善として、(1)組織体制の変更、(2)勤務開始時刻の多様化、(3)勤務体制の多様化、(4)作業環境の変更が行われた。職場環境改善の約1か月前、約3か月後、約6か月後、約12か月後に睡眠や疲労等に関する調査を実施し、同意が得られた36人の職場環境改善前後の比較を行った。

その結果、睡眠の質は、改善前と比べ、3、6、12か月後で有意に向上していた。また、勤務時間外における仕事からの心理的な拘束(心理的距離)が、改善前と比べ、3、6か月後で向上していた。さらに、疲労回復は、改善前と比べて、12か月後で向上していた。職場環境改善は、職場の環境のみならず、勤務外における労働者の睡眠や疲労回復といった生活の質の向上につながる可能性が示された。

執筆者

池田 大樹

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