【平成29年度】 長時間残業等の業務負担と心血管疾患リスクに関する職域多施設研究
研究要旨
12企業10万人規模の職域多施設研究(J-ECOHスタディ)において、健康管理情報を収集し、職域疫学データベースを構築した。2016年度末までの健康診断及び心血管疾患・長期病休・死亡の情報を収集し、整理した。脳心血管イベントの症例対照研究を実施し、発症前の勤務状況を尋ねた。
本データベースを用いて、残業時間とその後の糖尿病発症との関連を縦断的に解析したところ、全体では関連は認めなかったものの、短時間睡眠を伴う長時間残業者では糖尿病のリスクが上昇していた。残業時間と心血管疾患発症との関連をコホート内症例対照研究の手法で分析したところ、当該サンプルでは両者に統計学的に有意な関連は認められなかった。
執筆者
溝上 哲也