【令和3年度】 裁量労働制適用者の労働時間と働き方:JILPT 調査データを用いた基礎的検討 ―裁量労働制適用者の業務上認定事案から読み取れる論点に則して―
研究要旨
この研究から分かったこと
今後は、“働き方”それ自体の在り方について様々な視点から、過労死・過労自殺等労災保険事故の予防が検討される必要性が示唆される。
目的
本研究は、令和元年度に裁量労働制適用者の業務上認定事案を定性的に検討した結果から得られた結論を一般化しうるかを、既存データを用いた定量的な分析によって検討することを目的とする。
方法
定量的な分析に当たっては、労働政策研究・研修機構が2013 年に実施した「裁量労働制等の労働時間制度に関する調査」(労働者調査及び事業場調査)を通じて収集・整理したデータのうち、主に労働者調査結果のデータを用いている。
結果
検討の結果、裁量労働制適用者、特に専門業務型は、他の労働時間制度適用者と比べて、比較的労働時間が長く、負荷の高い労働環境にあることが分かった。しかし、職場での仕事の管理との関係など、裁量労働制適用者に特有の傾向は、あまり見られなかった。
考察
個別事案の検討自体は重要であるが、裁量労働制適用者を特別に取り上げて検討を行った結果、特有の問題は見受けられなかった。
キーワード
労働時間、裁量労働制、働き方
執筆者
池添弘邦 /藤本隆史