【平成28年度】 精神障害・自殺の労災認定事案の分析に関する研究

  • 平成28年度
  • その他
  • 事案分析:精神障害

研究要旨

業務上の精神障害として労災認定された事案のデータベースを構築し、データベースを用いて、年齢層、業種及び出来事の観点から、業務上の精神障害・自殺の実態とその背景要因を明らかにすることを目的とした。データベースを構築した精神障害事案2,000件を分析対象とした。

雇用者100万人当たりの事案数は、男性では30~39歳、女性では29歳以下及び30~39歳が最も多かった。雇用者100万人当たりの自殺事案数は、男性では40~49歳、女性では29歳以下で最も多かった。業種により年齢別の事案の動向は異なっていた。出来事への該当状況も業種により大きく異なっていたが、特に自殺事案では長時間労働関連の出来事に該当した事案が多かった。その一方で、自殺事案も含め、ハラスメントなどの対人関係、仕事の失敗などの出来事に該当する事案も多かった。本研究の結果から、業務に起因する精神障害・自殺の予防のため、若年雇用者のメンタルヘルス対策及び長時間労働対策を主としつつもそれ以外の要因にも着目した対策の重要性が示唆された。

執筆者

山内 貴史 

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