【平成28年度】 過労死予防対策としての職場環境改善に関する介入研究

  • 平成28年度
  • 久保 智英
  • 現場介入研究
  • 勤務間インターバル

研究要旨

効果的な過労死予防対策の立案及び検討を目的に、1)労働者1万人を対象とした勤務間インターバルの時間の長さの実態調査、2)某中小企業における職場環境改善の効果検証を行った。

実態調査の結果より、常日勤の正社員における勤務間インターバルの時間の長さがEU諸国の基準である11時間を下回る労働者の割合は、「普段の働き方」では全体の2.5%で、「忙しい時」では13.9%であった。業種別では、多い順に、「普段の働き方」では、宿泊業・飲食サービス業(11.7%)、教育・学習支援業(6.5%)、運輸業・郵便業(4.3%)、「忙しい時」では、教育・学習支援業(21.5%)、宿泊業・飲食サービス業(20.7%)、学術研究専門技術(19.1%)であった。効果検証の調査では、勤務間インターバルの長さと過ごし方の検討を行って、勤務間インターバルの長さ及び質が確保されている状態と、オフの質や疲労回復の間に関連性が示された。いずれの調査も1時点での調査であることや、自己申告に基づくデータであるという限界はあるものの、これらの結果は、勤務間インターバルの確保の重要性を示唆する知見として考えられる。

執筆者

久保 智英 

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