【平成28年度】 重点業種の労災認定事案の典型事例分析に関する研究
研究要旨
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」で過労死等が多発していることが指摘されている5つの職種・業種(自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療等)のうち、自動車運転従事者と外食産業について、データベースを用いて労働条件の特徴及び典型事例を抽出した。
自動車運転従事者のうち、トラックドライバーは深夜・早朝を含む運行が多く、運行時刻が不規則であった。また宿泊を伴う運行や運転以外の荷役など身体的負荷のかかる労働があることも特徴であった。タクシー・バスドライバーは拘束時間が長く、客扱いによる精神的緊張を伴う勤務が特徴的であった。外食産業のサービス職業従事者は、日勤の勤務形態をとりながら実際には昼間2交代のシフト制が特徴であった。しかし、少人数の職場において、とりわけ現場責任者は拘束時間が長く、休日が少なかった。