【平成30年度】 長時間労働と循環器負担のメカニズム解明

  • 平成30年度
  • 劉 欣欣
  • 実験研究
  • 長時間労働
  • 心血管系負担

研究要旨

過労死等の防止は労働衛生上の重要課題である。本研究では、過労死等のリスク要因である長時間労働が、心血管系反応に及ぼす影響を明らかにし、心血管系負担の軽減策を検討するための基礎データを蓄積することを目的とした。

本年度は、第1期の研究成果を国内外の学術誌に査読付き論文として公表した(和文1本、英文2本)。主な成果として、①長時間労働は心血管系の負担を増大し、特に安静時血圧が高めの群の負担が大きいこと、②作業中の長めの休憩(50分以上)は過剰な血行動態反応を抑制する効果が認められ、やむを得ず長時間労働をしなければならない場合は、複数の長めの休憩を確保することが望ましいこと、③長時間労働時の心血管系反応には個人差が存在することが示唆された。

第2期研究では、第1期の研究結果を踏まえ、さらに加齢と休憩のタイミング、短時間睡眠の影響を明らかにし、長時間労働による心血管系負担の軽減対策を考える。今年度は、研究の倫理審査、実験の準備及び実験プロトコール精査のため予備実験を行った。今後、本実験を行う予定である。

執筆者

劉 欣欣 

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