【平成30年度】 労働者の体力を簡便に測定するための指標開発

  • 平成30年度
  • 松尾 知明
  • 実験研究
  • 体力
  • ツール

研究要旨

過労死やその関連疾患の防止策を検討する疫学研究では、労働時間等の外的要因だけでなく、労働者自身が備え持つ特性(内的要因)を含めた議論を行い、「外的要因の制御」と「内的要因の改善」の両面から防止策を検討する必要がある。本研究では、“心肺持久力(cardiorespiratoryfitness:CRF)”を重要な内的要因として掲げ、今後の疫学研究でCRFを含めた検討が行えるよう、まず、その簡便な評価法(仮称HRmix)の開発を目指している。

今年度は、1)第1期(H27-29年度)で取得したデータの解析によるHRmix_ver.1の開発、2)HRmix_ver.1を改良するための被験者実験、3)HRmix_ver.1を用いた横断研究に向けたデータ収集を行った。開発されたHRmix_ver.1は、性別、年齢、BMI、質問紙(JNIOSH-WLAQ_CRF)情報、活動量計(ウェアラブル機器)情報、体力測定(JNIOSHステップテスト)情報を組み合わせたCRF評価法である。

今後、企業等に出向き、大人数を対象にHRmixによる測定・調査を行うためには、また、HRmixによるCRF評価を労働者の健康管理ツールとして活用するためには、測定・調査方法のさらなる簡便化(HRmix_ver.1の改良)だけでなく、企業担当者の負担軽減策が必要である。

執筆者

松尾 知明 

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