【令和2年度】 労働時間以外の負荷要因該当事案の解析

  • 令和2年度
  • その他
  • 事案分析:脳・心疾患
  • 不規則勤務

研究要旨

脳・心臓疾患による過労死等データベースを用いて、「労働時間以外の負荷要因」に該当する事案を分析した。まず、平成22年度から29年度における該当事案の全体の傾向の把握を試みた。次に、平成27年度から平成29年度における「労働時間以外の負荷要因」のうち、「不規則な勤務」または「出張の多い業務」に該当する事案の詳細分析を行い、「労働時間以外の負荷要因」に関する事案の実態の解明を試みた。

結果、平成22年度から29年度の全事案(n=2,280)のうち、「労働時間以外の負荷要因」に該当する事案は1,203件(52.8%)、負荷要因の総数は2,055件であった。また、最も多い負荷要因は「拘束時間の長い勤務」、次いで「交替制勤務・深夜勤務」、「不規則な勤務」が続いた。「不規則な勤務」と「出張の多い業務」に該当する事案の詳細分析の結果、「不規則な勤務」では、始業・終業時刻ともに変動が激しいことが明らかになった。「出張の多い業務」では、出張先での業務による負荷のみならず、長期間・多頻度の出張、目的地に移動するまでの車の運転などが被災者の負担になっている可能性が示唆された。

執筆者

岩浅 巧

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