【平成29年度】 運輸業・郵便業における過労死(脳・心臓疾患)の予測及び防止を目的とした資料解析に関する研究

  • 平成29年度
  • その他
  • 事案分析:脳・心疾患
  • 重点業種
  • 不規則勤務

研究要旨

運輸業・郵便業における過労死の予測及び防止という目的を達成するために、平成22年1月~平成27年3月までの脳・心臓疾患による不支給事案の労災調査復命書から、運輸業・郵便業の全312件を抽出し、これまで分析を行った支給事案(465件)の結果と比較した。とりわけ件数が多かったトラック運転手について詳細解析した。

その結果、不支給事案の条件は、事業場、荷扱い中、長い拘束時間、不規則勤務、早朝勤務、夜勤・交代勤務、50歳代、雇用1年未満と雇用15年以上、血縁のある家族の既往歴あり、1箱以上の喫煙、毎日の飲酒、健診による過労死(死亡)の低減などの点で支給事案と似ていた。したがって支給事案と不支給事案の違いは、時間外労働時間の長さを反映していたことになる。一方、支給事案も不支給事案も脳・心臓疾患にり患しているという共通した事実に注目すれば、本研究で抽出された時間外労働以外の要因について対策を講じることが、過労死等の防止には重要と考えられる。

執筆者

酒井 一博 

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