【令和4年度】 交替勤務に従事する介護労働者を対象とした勤怠スケジューラーによる介入調査の予備的解析

  • 令和4年度
  • 久保 智英
  • 重点業種
  • 現場介入研究
  • 長時間労働
  • 夜間勤務・夜勤
  • 勤務間インターバル
  • 疲労
  • ストレス
  • 睡眠
  • ツール

研究要旨

この研究から分かったこと

AI を活用した勤怠スケジューラーによって自動作成された交替勤務シフトは交替勤務に従事する介護労働者の負担軽減に貢献できる可能性がうかがえるものの、現在は調査途中なので、その効果の最終的な検証は調査終了時にて行うこととする。

目的

労働現場からの働きやすい交替勤務シフトのニーズを反映させた勤怠スケジューラーにより自動作成されたシフトと、シフト管理者によって手動作成されたシフトで働いた際の疲労やストレスを比較することが本研究の目的である。

方法

35 名の交替勤務に従事する介護労働者が本調査に参加した。4 か月間の調査期間中、2 か月間の介入条件及び統制条件をクロスオーバーデザインによって全参加者が経験した。調査前の職場の疲労カウンセリングにより、現場の介護労働者をヒアリング調査して、疲労回復に望ましい交替勤務シフトの諸条件を抽出した。介入条件では、勤怠スケジューラーにヒアリング調査の結果を反映させてシフト作成を行った。統制条件では従来通り、シフト管理者が手動でシフトを作成した。測定項目は勤怠データ、指輪型生体デバイスによる睡眠指標、血圧測定、主観指標、疲労測定アプリによる反応時間検査等であった。

結果

シフト管理者が手動作成したシフトで働いた際とAI による自動作成でのシフトで働いた際の疲労、ストレス、眠気を比較した結果、有意差は検出されなかったものの、自動作成でのシフトにおいて眠気が低い傾向が観察された。

考察

勤怠スケジューラーによって自動作成されたシフトでは、とりわけ眠気の軽減に効果があるように見えたが、本調査は現在、実施中なのでAI を活用した勤怠スケジューラーの効果検証は客観的な指標等も含めた全てのデータが揃ってからになる。

キーワード

勤怠スケジューラー、職場の疲労カウンセリング、介護労働者

執筆者

久保智英

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