【平成30年度】 運輸業・郵便業における過労死(脳・心臓疾患)の予測及び防止を目的とした資料解析に関する研究

  • 平成30年度
  • その他
  • 事案分析:脳・心疾患
  • 重点業種
  • 不規則勤務

研究要旨

運輸業・郵便業における過労死の予測及び防止という目的を達成するために、平成27年度~平成28年度の脳・心臓疾患による認定事案の調査復命書から、運輸業・郵便業の全193件を抽出し、平成22年~26年度の認定事案(465件)の結果と比較した。

その結果、①安全管理者の選任が義務づけられている50人以上の事業場への保健指導の必要性、②50歳代、雇用から2年未満、15年以上、脳・心臓疾患の家族既往歴を有する者、喫煙、飲酒習慣のある者といった対象ドライバーを限定した健康管理・指導の必要性、③長い拘束時間、不規則な勤務交代・深夜勤務に加えて早朝勤務、とりわけ4時台始業、5時台始業の早朝勤務日数の削減、荷扱い時の対策の必要性が示唆された。

なお、トラックでは、発症月、発症曜日、発症時刻と発症との関係を明らかにすること、タクシー、バスへの対策提案が課題として残ったが、今後データベースを充実させることによってこれらは改善できるものと考えられる。

執筆者

酒井 一博 

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