【平成30年度】 労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)コホート研究

  • 平成30年度
  • 高橋 正也
  • コホート研究
  • 長時間労働
  • 疲労
  • ストレス
  • 睡眠

研究要旨

JNIOSHコホート研究は国内の企業などに勤務する2万人ほどの労働者集団(コホート)を構築した上で、長期(5~10年)にわたる追跡調査を行う職域大規模調査研究である。その目的は過労死等関連疾患(脳疾患、心疾患、精神障害等)の発症リスクに影響を及ぼす労働環境要因や身体・生活環境要因の同定とその影響の程度を評価することである。

今年度は、研究参加に同意した協力企業の社員6,806人の勤怠データ、健診データ、ストレスチェックデータ、労働時間や睡眠に関する質問紙への回答を取得することができた。それらのデータを横断的に検討した結果、労働時間が長いほど、健診数値(BMI、血圧、LDLコレステロール)や心理的ストレス反応、起床時の疲労感、昼間の強い眠気などが悪化する傾向にあることが示唆された。

また、勤怠データによる労働時間(企業が管理する数値)と質問紙調査による労働時間(労働者個人の認識)の一致度を分析した結果、労働時間が長くなるほど一致度は低くなり、過少申告する傾向が見られた。

本研究の当面の課題は協力企業と対象者数を増やすことである。今後、建設業2社、運輸業1社、サービス業1社(のべ20,000人規模)、1自治体(1,800人規模)への初回調査が行われ、データが到着する予定である。

執筆者

高橋 正也 

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