コホート研究班

コホート研究班
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コホート研究班について

過労死等防止調査研究センターでは、労働者を対象としたコホート研究を進めています(JNIOSH職域コホート研究)。コホート研究とは、多人数の参加者に対して繰り返し調査を行い、ある要因(例えば、長時間労働)を持つ群と持たない群との間で、病気などの現れ方がどのように違うかを調べる研究です。私たちのコホート研究では、数万人の労働者から勤怠記録による毎月の労働時間、健康診断の結果、ストレスチェックの結果、睡眠状況などに関する情報を各参加者からの同意を得た上で、数年間にわたって集めています。これらのデータを用いて、ある期間での働き方とその後の心身の健康との関連を調べています。

長時間労働と健康との関連を調べるこれまでの研究は、「最近1か月において、残業も含めて労働時間は何時間でしたか」などの質問によって労働時間を一度だけ測るのがほとんどでした。ですが、こうした測り方でもって真の労働状況が分かるかは疑問に思えます。というのも、仕事には忙しい時期とそうでない時期がありますし、思い出して回答すると正確でなくなるかもしれません。そこで、本コホート研究では、ある期間(例えば、半年間)の勤怠による労働時間について長い残業がどのくらいあるかなどに注目しています。そのようなデータを切り口として、健康診断による身体的な健康、ストレスチェックによる精神的な健康との関連を詳しく分析しています。

高橋 正也(たかはし まさや)
記事を書いた人

高橋 正也(たかはし まさや)

過労死等防止調査研究センター(RECORDs)のセンター長で、専門分野は産業睡眠医学。過労死等研究では、各班の研究を支援しつつ、研究代表として全体を統括。研究者としてのキャリアは、労働省産業医学総合研究所の研究員から始まり、その後、米国ハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院・睡眠医学科の博士研究員を経て、現在の地位に至る。睡眠、生体リズム、勤務スケジュール、職場の心理社会的環境、過重労働が研究テーマ。また、仕事とプライベートのオンオフのバランスを重視しており、オフの時間は家族と過ごすことを楽しみにしている。