【令和2年度】 労働現場における過労リスクの評価ツールの開発と対策の検討:過労徴候しらべの開発と睡眠マネージメントの立案

  • 令和2年度
  • 久保 智英
  • 労災事案分析
  • 現場介入研究
  • 長時間労働
  • 夜間勤務・夜勤
  • 不規則勤務
  • 勤務間インターバル
  • 疲労
  • ストレス
  • 睡眠
  • ツール

研究要旨

労働現場での効果的な疲労対策の立案を念頭に、1)働く人々の過労リスクを簡便に測定するための調査票ツール「過労徴候しらべ」の開発、2)疲労回復に重要な夜間睡眠の取得状況に着目し、交代制勤務における睡眠マネージメントの検討、3)勤務間インターバルの確保と夜間睡眠の取得を促す交代制勤務シフトへの現場介入調査を実施した。

1)の過労徴候しらべに関しては、1,992名のドライバー(平均年齢±標準偏差;46.4±9.1歳、男性が1,947名)と536名の看護師(平均年齢±標準偏差;36.8±8.4歳、女性は451名)を対象に、労働・生活要因と過労徴候の関連性を明らかにするために調査を行った。結果、過労徴候しらべ得点と脳・心臓疾患の既往歴の間に有意な関連性が認められたことから、本調査票の有効性が一部、支持された。2)の睡眠マネージメントに関しては、536名(平均年齢±標準偏差;36.8±8.4歳、女性が451名)を解析対象とし、1か月間、毎日、勤務と睡眠の時間を日誌に記録するように求めた。22時から8時までの間に4時間以上の睡眠を夜間睡眠と定義して解析した結果、夜間睡眠が月12回以下の場合、様々な疲労関連指標が悪化する傾向が観察された。3)の現場介入調査に関しては、30名の看護師を対象にして現在、実施中である。

執筆者

久保 智英

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