異なる年齢層の模擬長時間労働による心臓と血管系反応と休憩の効果
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この研究から分かった事
・長時間労働は心臓と血管系の負担を増大します。
・若年労働者と比べ、高年齢労働者の心臓と血管系の負担が大きいです。
・長めの休憩は低下した心臓反応と上昇した血管系反応を緩和します。
目的
長時間労働による心臓と血管系の負担と勤務中の休憩の効果を解明することが本研究の目的です。
方法
実験室において、長時間労働を模擬するために9時から22時までの間、簡単なパソコン作業をしながら、1時間毎に血圧などの心血管系反応を測定しました。30代16名、40代15名、50代16名の健康男性が実験に参加しました。休憩時間を昼に1時間、夕方に50分間、設けました。
結果
30代と比べ、50代の収縮期血圧は有意に高く、特に午後の後半でその差が顕著でした。一方、50分以上の長めの休憩が低下した心臓反応と上昇した血管系反応を緩和する効果が認められました。
考察
若年労働者と比べ、高年齢者は長時間労働による心臓と血管系の負担が大きく、長時間労働が避けられない場合、若干長い休憩時間を複数回、設けることが重要だと考えられます。
キーワード
長時間労働、心血管系反応、加齢、休憩
出典
- Xinin Liu, Hiroki Ikeda, Fuyuki Oyama, Keiko Wakisaka, Masaya Takahashi (2018). Hemodynamic Responses to Simulated Long Working Hours with Short and Long Breaks in Healthy Men. Scientific Reports 8: 14556. https://doi.org/10.1038/s41598-018-32908-y
- Xinin Liu, Hiroki Ikeda, Fuyuki Oyama, Masaya Takahashi (2019). Heamodynamic responses to simulated long working hours in different age groups. Occupational Environmental Medicine, 76, 754-757.https://doi.org/10.1136/oemed-2019-105915