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動画:勤務中の心血管負担を軽減するために
(過労死等等防止調査研究センター 循環器実験チーム)
循環器班について
この実験班は心血管系の負担解明とその負担の軽減策を検討することが研究の軸としています。今までは、長時間労働、加齢、及び安静時血圧などの影響を検討してきました。長時間労働は脳・心臓疾患のリスクを増大し、過労死等の認定要因のひとつとなっています。こちらの実験班では、長時間労働により労働者の心血管系負担が増大し、特に高年齢労働者と高血圧者はその負担増加が大きいことを明らかにしました。一方、勤務中長めの休憩は心血管系の負担を緩和する効果が認められ、長時間労働が避けられない場合は十分な休憩を確保することが重要と考えられます。これらの結果は、長時間労働時による心血管系負担の軽減策を検討するためのエビデンスを提供することができました。また、今までの過労死等認定事案の中、最も多かったのは運輸業でした。運輸業は拘束時間が長く、勤務中の休憩が取りづらいことが多いと知られています。ドライバーの勤務中の心血管系負担を緩和するため、十分な休憩が必要と考えられます。この実験班はドライビングシミュレータを用いて、ドライバーの運転中の心血管系負担を明らかにし、その負担を緩和できる休憩パターンについて検討しています。