研究員に聞いてみよう! 「つながらない権利」編 File#3

研究員に聞いてみよう
なんとなく聞いたことはあるけど、よく分からない。愛想笑いで流してしまう。そんなトピックについて、RECORDsメンバーに教えてもらうシリーズです。
今回はこちら
こんにちは、あんえい犬です。
今回も、「つながらない権利」の続きです。
はじめての方は、まず→「File#1」と「File#2」をご覧ください。
こんにちは。今回も久保(上席研究員)です。よろしくお願いします。
あんえい犬
「つながらない権利」を守るために、具体的にどうしたらいいか考えてみたんですけど、
個人だけでは難しいことが多いように思いました。
久保 上席研究員
そうなんです。あんえい犬君、いい視点ですね。
基本は個人の努力ではなく、組織的な仕組みづくりが大切なんです。
自分だけが「厄介な人」認定されてしまい、やりづらいかもしれませんよね。
特に日本の労働文化は、横を気にする文化なので一人だけ他の人と違う行動をとることに
少なからずハードルがあると思います。
あんえい犬
確かに、周りのみんなの様子すごく気になります。
久保上席研究員
あと、お客さんからの問い合わせについては個人だけではどうにもならないので
組織として「従業員の健康確保のため勤務時間外はつながりません」
という宣言がなければ実現できない話ですよね。
なので、職場の労働組合や安全衛生委員会等を通じて、
組織的に自分たちの職場の「つながらない権利」の問題をどうするのか、
議論できる仕組みが重要だと思います。
あんえい犬
職場にあった方法を考えないといけなさそうですね。
企業での取り組み事例などはありますか?
久保上席研究員
たとえば、
会社のサーバーを勤務時間外や休日には一斉にシャットダウンしてしまう企業や、
会社として取引先に「勤務時間外の対応はしません!」と宣言している企業などがあります。
また、長期休暇を取得する際に、
事前に仕事の引継ぎをしっかりと行うことを制度化した企業では、
「休暇中の仕事の連絡に悩まされずにリフレッシュできるようになった」
という話も聞いています。
あんえい犬
色々あるんですね。参考になります!
他にもいい事例があったら、これを読んでくれている皆さん、教えてください!
ところで、個人的にできそうなことはありますか?
久保上席研究員
オフにおいては仕事のメールは極力、チェックしないことや、夜、寝る時にはスマートフォンを寝室におかないことで、仕事からの心理的な距離をとることをお勧めします。
前回ご紹介したサイコロジカル・ディタッチメントが疲労の回復、
ストレスの解消には重要なので、それができるような過ごし方を心がけて下さい。
あんえい犬
あー、サイコロ!
サイコロジカル・ディタッチメントのポイントとかありますか?
久保上席研究員
あるよ。
ディタッチをする秘訣としては、仕事で使う能力とは反対の能力を使うことです。
具体的には、精神的な能力を仕事でよく使う人は、
身体を使う休み方(たとえば運動や身体を使うレジャー)をすること、
一方、身体的な能力を仕事でよく使う方は、
精神的な能力を使う休み方(たとえば、読書や瞑想)がお勧めです。
また、山や海などの自然環境で過ごすこともストレスの解消には良いとされていますので、
仕事の疲労やストレスで嫌になってきたら、
あえて自然環境に行ってみるのも1つの手だと思います。
あんえい犬
こう見えてパソコンの前にずっといる仕事だから、おさんぽでも行こっかな。
もう、次回が最後か・・・
何を教えてもらおうかな。