公立小中学校教員の公務災害による過労死等の事案研究
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この研究から分かった事
・脳・心臓疾患の教員100 万人当たりの発症件数は男性が80%を占め、疾患名は男女共に脳内出血が最も多かったです。
・精神疾患等の教員100 万人当たりの発症件数は男性が多く、疾患名は男女共にうつ病エピソードが最も多かったです。
・負荷のあった業務は、脳・心臓疾患では「部活動顧問」が最も多く、精神疾患等では「保護者との人間関係」が最も多かったです。
目的
日本では教員の長時間労働や精神疾患による病気休職者数が減少していない状況です。この研究は、過労死等の重点業職種である教職員に該当する公立小中学校教員の公務災害の過労死等防止対策の課題抽出を目的として、公務災害として認定された過労死等の負荷業務の特徴について検討しました。
方法
対象とした公務災害認定事案は2010 年1 月から2019 年3 月までに公務災害に認定された全392 件(脳・心臓疾患事案146 件、精神疾患等事案246 件)の内、公立小中学校教員88 件(脳・心臓疾患事案52 件、精神疾患等事案36 件)としました。
結果
脳・心臓疾患の教員100 万人当たりの発症件数は男性が80%を占め、疾患名は男女共に脳内出血が最も多かったです。精神疾患等の教員100 万人当たりの発症件数は男性が多く、疾患名は男女共にうつ病エピソードが最も多かったです。学校別の件数は、脳・心臓疾患は中学校で多く、精神疾患等は小学校、中学校がそれぞれ半数でした。
考察
脳・心臓疾患事案では、負荷業務として「部活動顧問」が最も多く、長時間労働を認定要件とする事案に影響を及ぼしました。精神疾患等では、負荷業務として「住民等の公務上での関係」における保護者によるものが最も多かったです。負荷業務である「部活動顧問」、「住民等の公務上での関係」の課題を解決することが、公立小中学校教員の過労死等防止対策のひとつになると考えられます。
キーワード
過労死等,小中学校教員,負荷業務,長時間労働,対人関係
出典
茂木伸之,吉川徹,佐々木毅,山内貴史,高田琢弘,高橋正也,(2023). 公立小中学校教員の公務災害による過労死等の事案研究.労働安全衛生研究 .16(2), 165 ‒172.
