研究員に聞いてみよう! 「勤務間インターバル」編 File#2

研究員に聞いてみよう
なんとなく聞いたことはあるけど、よく分からない。愛想笑いで流してしまう。そんなトピックについて、RECORDsメンバーに教えてもらうシリーズです。
今回はこちら
こんにちは、あんえい犬です。
今回は、「勤務間インターバル」の続きです。
はじめての方は、まず→「File#1」をご覧ください。
池田主任研究員
こんにちは。池田(主任研究員)です。本日もよろしくお願いします。
「勤務間インターバル制度導入のメリット」でしたね。
では、さっそく。はい。
最大のメリットは健康確保につながることだと思います。
例えば、勤務間インターバルが短くなると睡眠の量や質が悪化し、
特に11時間未満で様々な健康上の問題が生じることなどが論文で報告されています。
勤務間インターバル制度を導入し、一定の勤務間インターバルが確保されれば、
働きすぎによる健康問題のリスクは低減するでしょう。
あんえい犬
健康確保。とっても大事なことですね!
他にもありますか?
池田主任研究員
勤務間インターバルは健康だけでなく、
生産性(アブセンティーズム(欠勤)やプレゼンティーズム
(出勤しているけれども健康等の理由で十分なパフォーマンスを発揮できていない))や
安全(事故など)と関連することも報告されていますので、
健康、安全、生産性の向上につながることも考えられます。
あんえい犬
健康面以外でもメリットが!
導入した方が絶対にいいと思うんですけど、
日本では、「勤務間インターバル制度」はどれぐらい普及しているんですか?
池田主任研究員
厚生労働省の「就労条件総合調査」で、
勤務間インターバル制度の普及率が毎年調べられています。
最新の令和6年の調査によると、
普及率は全体(30人以上を雇用する企業)で5.7%、
1000人以上の企業規模に限れば16.1%となっています。
平成29年の調査では、
全体で1.4%、1000人以上で3.1%であったことを考えると、
少しだけ普及が進んだといえるかもしれませんが、
まだまだ普及率は低いと思われます。
あんえい犬
想像より低かったです・・・
ところで、勤務間インターバル、日本では法律になっているんですか?
池田主任研究員
現在(2025年5月)、
労働時間等設定改善法(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法)により、
勤務間インターバル制度を導入することが事業主の「努力義務」となっています。
あんえい犬
「努力義務」ですか・・・
海外はどうですか?
池田主任研究員
欧州連合(EU)では、
労働時間指令(2003/88/EC)に基づき、
加盟国は24時間につき最低でも連続11時間の休息を設けることが定められています。
あんえい犬
なんで努力義務なんですかね。
あと、なんで11時間なのかも気になってきた。
知れば知るほど、気になることが山盛りに・・・
池田先生、何でも知ってそうなので、
次は、「導入している企業」について教えてください!