研究員に聞いてみよう! 「働く人の体力」編 File#4

研究員に聞いてみよう
なんとなく聞いたことはあるけど、よく分からない。愛想笑いで流してしまう。そんなトピックについて、RECORDsメンバーに教えてもらうシリーズです。
今回はこちら
こんにちは、あんえい犬です。
今回も、「働く人の体力」の続きです。
はじめての方は、まず→「File#1」「File#2」「File#3」をご覧ください。
松尾先生、体力についていろいろ教えてもらって、
最近、自分の体力に興味がわいてきました。
松尾上席研究員
あんえい犬くん!
体力に興味がわいてきたなんて、すごくうれしいよ!
何かの記事で、パソコンの前にずっといるお仕事って言ってたから、
ちょっと気になってたんだ。
あんえい犬
ぼくの記事読んでくれたんですね!(あ、しっぽが…)
先生、自分の体力を知るって、大事なことですよね。
でも、ぼく、子供の時しか体力測定したことないです。
みんなそんな気がしますけど、良くないってことですよね。
松尾上席研究員
そうだね。
学校ではスポーツテストなどで定期的に体力評価がおこなわれていますが、
大人はそういった機会がない人がほとんどです。
僕たちは大人こそ定期的な体力評価が必要だと考えています。
特に心肺持久力については、
病気による死亡リスクへの影響が、
高血圧や糖尿病、喫煙より高い
ことを示した研究もあります。
米国心臓協会などの国際研究機関は、
子供だけでなく大人も心肺持久力を定期的に評価すべきと提言してるんです。
あんえい犬
大人も自分の体力を知らないとですね!
働く人々が自分の体力にとって、やるべきことも教えてほしいです。
松尾上席研究員
立ち仕事や荷物の運搬、あるいは歩き回るお仕事など、
仕事中の身体活動がそれなりにある人は
「健康のため」だけに休日まで運動をする必要性は高くありません。
身体を休めることも重要です。
ただし、立ち仕事や歩行だけでは「心肺持久力」は高まりにくいので、
余力があれば、休日に速歩やジョギングができればよいです。
余力があって休日に趣味でスポーツをされている方は、
体力アップが期待できますので大いに楽しみましょう。
あんえい犬
ぼくの仲間たちは、歩き回るお仕事が多いみたいだから、
教えてあげます。
松尾上席研究員
うん、みんなに教えてあげて。
あんえい犬くんみたいに、
仕事中に座位(デスクワーク)が多い人は注意が必要ですよ。
座位時間が長すぎると、
循環器系や代謝系の病気になりやすいことが多くの研究で示されています。
そうは言っても、デスクワークを短くできない人も多いと思います。
あんえい犬
はい。ぼくです。
松尾上席研究員
そうだよね。研究者もです。
その場合は、勤務以外の時間の過ごし方が重要です。
少しでも多く歩いてみたり、階段を意識的に使ったりすることも効果がありますし、
前にお話ししたように、短い時間(15~30分)でもよいので、
インターバル速歩(速歩3分と通常歩行2分の繰り返し)やスクワット運動を実践できると、
心肺持久力や下肢筋力の低下を予防できますよ。
あんえい犬
ぼく、休日はおさんぽして過ごすんですけど、インターバル速歩してみます。
松尾上席研究員
知ってるよ。あんえい犬くんのお散歩好き。
無理せずやってみて!
あんえい犬
はーい!
次回は、最後に「職場全体でやるべきこと」を教えてください!