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1枚でまる分かり! 建設業界の過労死等に関する特徴

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目次

1枚でまる分かり! ファクトシート

【271】ファクトシート_建設業版

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ファクトシートとは、これまでの過労死研究で分かったことを分かりやすく1枚にまとめた資料です。
過労死等防止調査研究センターにおいてこれまで蓄積してきた事案分析の成果をもとに、過労死等の実態と防止対策をわかりやすく伝える「ファクトシート」を作成しました。

建設業版ファクトシートの作り方

平成27 年度から令和3 年度までの「建設業」に関連した事案研究報告書のレビューを行いました。確認された3報をもとに、建設業についてのポイントを整理しました。

建設業版の特徴

建設業業は、

  • 受注ごとに異なる建設物を屋外・移動型の現場で生産する「一品受注生産」が特徴であり、自然条件や地域環境の影響を強く受けます。
  • さらに、多数の専門職種・協力会社・資機材が関与するため、工期や安全を含めた複合的な管理が必要です。
  • 技能労働者には事故や労働災害も多く、危険な環境による負荷、ストレスがあります。
  • 管理監督者・技術者では、納期やコストの厳しさ、予測の難しい気象などの自然条件の影響も関係して、多忙や長時間労働による健康リスクが問題になることがあります。

建設業業版ファクトシートでは、

1枚目では、建設業では事故だけでなく、長時間労働や責任負荷による過労死・精神障害も深刻であり、労務管理と安全管理の両立が必要なことを具体的なデータとともに解説しています。

具体的には、

  • 脳・心臓疾患では、長時間労働や拘束時間の長い勤務、精神的緊張を伴う業務によって発症し、特に50歳代男性に多い一方、現場監督・技術者では20歳代の若年層でも目立ちます。
  • 精神障害・自殺事案では、現場監督・技術者で自殺に至る割合が高く、技能労働者では、「事故や災害の体験」が精神障害の主要因であることなどを取り上げています。
  • 2枚目では、建設業の過労死等予防には、「安全管理」だけでなく「労働時間管理」「休日確保」「健康管理」「ハラスメント対策」を含めた総合的な労務管理が必要であことを、チェックポイントとともに紹介しています。

ファクトシートの使い方

第14次労働災害防止計画において求められている「業種別対策の具体化」に対応するものであり、研究成果を実務で活用しやすい形に整理した点に意義があります。過労死等防止の際の啓発資料、教育資料等としてご活用ください。

■ 基本の使い方

  • 業界の特徴を短時間で把握する
  • 課題の傾向を整理する
  • 関係者間で共通認識を持つ

■ 研修・教育

  • 新任担当者の理解促進に活用する
  • 社内研修資料として活用する
  • 安全衛生担当者の研修資料として活用する
  • 建設業団体を通じた啓発資料として活用する

参照報告書

本ファクトシートに引用したデータを引用した報告書

  1. 【平成30年度】 建設業における精神障害の労災認定事案の詳細分析に関する研究(高橋正也)
  2. 【平成30年度】 建設業における労災認定事案の特徴に関する研究(菅 知絵美)
  3. 【令和3年度】 建設業における過労死等事案の労務管理視点からの分析 ~建設業における精神障害認定事案の社会保険労務士の視点に基づくケーススタディ研究~(中辻めぐみ)

参考:本文を作成した以降に公表された報告書

  1. 【令和4年度】 建設業における過労死等事案の労務管理視点からの分析-建設業における精神障害認定事案の社会保険労務士の視点に基づくケーススタディ研究-(中辻めぐみ)
  2. 【令和5年度】 建設業における過労死等事案の労務管理視点からの分析-建設業における精神障害認定事案の社会保険労務士の視点に 基づくケーススタディ研究-(中辻めぐみ)
  3. 【令和5年度】 業種・職種別の過労死等の特徴と分析結果活用に関する研究(吉川 徹)
吉川 徹(よしかわ とおる)
記事を書いた人

吉川 徹(よしかわ とおる)

過労死等防止調査研究センター(RECORDs)のセンター長代理で、専門分野は産業安全保健学、産業医学、国際保健学。事案研究班と対策実装チームに所属。産業精神保健分野での職場環境改善とメンタルヘルス一次予防、アクションチェックリストやグループダイナミクスを活用した参加型職場環境改善、職業病・作業関連疾患の労災統計と予防策の研究に取り組んでいる。過労死・過労自殺の労災認定事案に関する調査研究と過労死等防止対策の実装にも関与している。学生時代から感染症対策と国際保健に関心があり、都立病院で多くの患者に接する中で、病気の予防のための労働生活改善に関心が高まったことが研究者となったきっかけである。